こんにちは。

前回は、「SESとは何か」という視点で記事を書きました。

今回は、少し踏み込ん営業に特化してお伝えしたいと思います。

私は、SES業界に営業職として6年在籍しています。

今は、SESよりもソリューション営業として中小企業向けにDX推進の提案営業と管理職

をしています。そこにいきつくまでは、SESも嫌々ながらしてました。

その実体験含めお伝えします。

少しだけ、自分のことを書きます。

6年前に知人の紹介でSES企業に転職しました。

それまでは、全くことなる業界で営業に携わり、経験は20年以上です。

大学卒業から一貫して営業職を貫いてます。ずっと法人営業です。

管理職、拠点立上げ、新規事業立ち上げ、企業の立ち上げと一通り経験してきました。

そんな経験を踏まえ、忌憚なく正直にお伝えします。


1.全般的な営業の特徴

まず営業経験のない方のためにも「全般的な営業」について触れておきます。

①新規顧客開拓が使命

まずなによりもこれが一番です。

これをしないのであれば企業に営業の組織は必要ありません。

既存客からのリピート、商社からの発注が中心といった企業でも営業を置いてること

ありますが、これは営業組織のムダ使いです。

表面に現われない潜在顧客、取引したいけどできていない将来の優良顧客、

ここを開拓するために営業が存在するといってもいいくらいに思ってます。

②営業マンしかできないことをする

例えば、

 ・アポなしで企業のオフィスに飛び込み営業する ※最近はあまりないかも

 ・新規テレアポしてコンタクト、訪問・商談する ※これがまだまだ主流です

これは営業にしかできないことです。これをできない営業マンもたくさんいまが。

こういう泥臭いことをするのが営業です。

③市場の声を社内に展開する

市場に最も近い場所にいるのが営業です。

「売る」だけではなく、社内にいる人は感じることのできない「顧客の声」

を社内に反映し、経営戦略や製品戦略などに結びつける。

これができるのは営業だけです。

営業は、取引先や新規営業先の色んな立場の方と商談を重ね、市場感を伝えます。

これも営業組織を置く目的の一つです。

④チームと単独の2つがある

「チームで結果を出す」「単独の1匹狼で結果を出す」2つのスタイルがあります。

良し悪しはそれぞれです。企業文化とか扱う商材によって違いはありますね。

一つ言えることは、営業マンの行動に正解はありませんので自分の頭で考えて

行動する。これが営業の本質です。1匹狼的気質を持ちつつ周囲との連携を図る

このバランスを持つことも営業です。

2.SES業界(営業視点)の特殊性

ここから本題に入ります。


①業界の横の繋がりが強い

「横」というのは、同業他社です。競合になることもあれば、協業することもあるような

事業の重複する企業間の関係です。同じSES企業ですね。

この日本にIT企業は数万社ありますが、大半はSESに携わっています。

このSES企業間の情報交換が非常に活発です。

情報というのは、開発案件の情報、エンジニアの契約終了情報です。

次の項目に書きますが、これは3次請け、4次請けなど深い階層で案件やエンジニアを

横流しすることでビジネスが成立するためです。毎日毎日膨大な量の案件やエンジニア情報

のメールが流れてきます。

どの案件が人材を確保しようとしているとか、どの企業で大規模な人員削減があって、

どこの企業の人材が多く契約終了になるとか、すぐ広まります。

営業マン同士の交流会も活発で色んなコミュニティがあるので、。自然と悪い噂も広まります。

田舎の近所付き合いみたいなイメージです。

悪い噂も一気に広まるので、村八分になる、みたいな営業も稀にいます。

企業を超えた営業同士の密な人間関係は覚悟しておいた方がいいです。

ちなみに私は、本当に嫌なので全てのコミュニティから離れています。

②3次請け、4次請けの中継ぎ中心の営業スタイル

一言でまとめると「人材商社」です。

マージンで稼ぐことです。

3次で請けたA社の案件にB社がC社の社員を参画させる

ユーザー ⇒ 1次Sier ⇒ 2次ソフト会社 ⇒ 3次A社 ⇐ B社がC社の社員提案

という感じです。

A社の営業が、2次ソフト会社に営業して案件を取ったので3次の地位を確保し、多くの

SES企業の案件情報配信して人材を集めます。

B社とC社の営業はその案件を更に同列のSES企業に配信します。

B社が3次の地位を確保するケースもあります。

そのため、SES企業の営業は2次Sier、3次や4次の同列企業への営業活動を行うのです。

③ITは全ての企業がターゲットになる

多重な下請け構造が当たり前の業界ですが、本来はシステム・ITの構築です。

そのため世の中の全ての企業がターゲットです。

会計・販売・生産など事業収益を得ている企業は何らかのシステムは必ず導入しています。

そのためシステム需要は全ての企業にあります。

IT企業も本来は、何かの強みを構築して同業と差別化を図り営業すべきところです。

実情は、多くの企業は既存ITベンダーに依存していて新規企業への乗り換えは嫌がります。

それはIT専属担当いないかったり、システムの内容を理解していなかったり、

現状に満足するゆdがえる状態だったりという理由が多いです。

そのため営業のハードルは非常に高いです。

契約までに時間がかかるし、見込み先が確保しずらかったり。。。

企業としても多くの営業マンもSierや同業への営業してササっと売上つくるに走ります。

直接やり取りする企業へ提案活動を行うと顧客へのサービスの意識も高まるし、自社のITサービス力

製品展開への意識も高まるはずです。そして、多くの企業がITへ積極投資を始めるかもしれません。

いい流れになるはずです。

3.SESのしていること

さらに本題の営業を深堀します。

①ひたすらメール配信

・他社から流れてきた案件メールを自分達の案件かのように配信する

・他社から流れたエンジニア情報を「自社1次パートナー社員」ということで配信する。

この2つを日々行います。このメール配信先を増やすために営業マンは同業に営業します。

そして、「案件情報流していいですか?」というトークをして帰ってきます。

配信メールは、私の所属する企業の場合、日々100通以上届きます。

このメールを営業マンは毎日確認して、流れてきたエンジニアと案件をマッチさせて

契約に繋げます。他社在籍50万のエンジニアを55万で別の企業へ提案することでマージン5万です。

これが営業マンの実績となります。

営業マンによっては、事務所にほぼこもっている人も結構います。

営業ノルマですが、SES企業はノルマをしっかり課しているとこが多いです。

毎月マージン確保できる人数を10人は稼働させる。

これを一つのノルマにしている企業が多いですね。

契約が長く続けばいいですが、エンジニアもすぐ職場を変えたがる人多いので

半年続けばマシという印象です。20人の稼働を1年間確保続ければ優秀な方です。

・この顧客には○○な課題があるから解決への提案をする

・この市場は参入少なく伸びるから攻める

などといった戦略や提案力は必要ありません。

頭をあまり使わずこなす仕事です。そのため営業としてはノルマあっても楽です。

②同業の交流会に参加する

結構頻繁に開催されているようです。

100名前後くらいの営業マンが参加して、名刺交換して少し雑談する。みたいな感じです。

交換先には後日訪問するか、配信リストに加えるかで関係を継続します。

こういった会合からコミュニティが作られることが多いようです。

③「面談」という技術者とユーザーの面接セッティング

SES契約でも必ず、ユーザーの予定している案件にエンジニアの技術がマッチするか判断する

面接の場を設けます。ユーザーとエンジニア間の面接になります。

営業が同席しますが、ユーザーと契約する企業の営業です。

中間に入るだけのSES企業の営業は、エンジニアを現地まで連れていくだけです。

連れていって仕事完了です。駅で上位の営業にエンジニア紹介して終わりというケースも多いですね。

この面接、定時後の夜に設定されること多く、引き渡しだけのために夜外出します。

この時間が本当に嫌です。これも仕事ですが、単なる便利使いにしか見えないですけどね。

④一応クレーム対応もします

中継ぎですが、クレームは窓口に入ってるので上位企業からきます。

それを下位企業(エンジニアの所属)に伝えます。

伝言ゲームですね。ここで面倒なのは、下位企業の社員と思ってたエンジニアが

実は、更にもう一つ下位の企業社員だったり、個人事業者の契約社員だったりと

隠されてた事実が判明することです。結構あります。

契約時にしっかり確認しておきましょう。

伝言ゲームも中間に入りますので、手間は倍かかります。ただ、伝えることしかできないので、

ここは機械的な対応ですね。

⑤喫茶店の打合せが多い

余談ですが、なぜか多いです。

領収書は当然ですが。

それだけ緊張感のない打合せということかもしれません。


まとめ

少し長くなりました。

営業の実情だけにするつもりが、業界構造にも触れてしまいました。。。

一つ言えるもは、すぐ飽きる可能性が高いです。

営業力を高めたい、IT営業からコンサルに成長したい、提案力を高めたい

といった将来像を描いている方は、避けた方がいい業界かもしれません。

HP情報では、それなりに見えても実情はSES中心という企業もたくさんあります。

情報収集はしっかりしましょう。もし入社してしまったら、半年程度はSES営業に取組み、

多少実績を積んでソリューション事業などを会社に提案するとか、エンドユーザーに営業する

など自分で主体的に動いてみましょう。そうすると独立への道や、立場の異なる企業への道が

みえてきます。入ったらするしかありません。

私も同じSESの営業です。何れにしても素敵な人生のために仕事を楽しみましょう。

次回はエンジニア目線でSES業界をお伝えするつもりです!

カテゴリー: IT

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