10月からインボイス制度が始まりましたね。

多くの個人事業者(免税事業者)にとってはいい制度ではないかもしれません。

課税事業者の中小企業にとっても現時点では大変なことばかりです。

純粋に仕事が増えただけ。というのが現状です。

簡単に人を増やすこともできない中小企業は、既存社員の負担が大きく増えます。

従業員200名弱、売上規模20億くらいの企業に勤めていますが経理担当は1名です。

経理担当者は純粋に作業時間が40時間/月増えました。

税金(消費税)のことは専門家ではありませんので、しくみには触れず中小企業の現状を

中心にインボイス開始後の中小企業の現状をお伝えします。

※本は5冊ほど熟読したので多少知識は習得しました。

 分かり易く解説されてる書籍が多く、読みやすく頭すーと入ってきます。

ITコンサルとしてインボイス対応の相談も受けてますのでシステム担当の側面含んでいます。

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①インボイス制度とは

「適格請求書等保存方式」が正式名称です。

 ※インボイス=国が認めた請求書の形式のこと(適格請求書)です。

ずーっと請求書という言葉だけ使っていたので、「インボイス」は聞きなれない言葉で

違和感が大分ありますね。

インボイス請求書を受け取らないと、その請求書のために支払った

消費税を納付する消費税計算の際に、控除できないという制度です。

ここがややこしいとこですね。

詳しいことは、様々な専門家が説明していますので、色々参考にしてください。

・インボイス制度 国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm

・弥生会計

https://www.yayoi-kk.co.jp/invoice/oyakudachi/invoiceseido/

②中小企業の対応は

1.外部からの仕入れ

私の勤める中小IT企業は、フリーランスへの業務委託も多く、免税事業者との取引があります。

そのため、結構早い段階でどうするか検討していました。

・免税事業を継続する事業者とは、優秀であればで継続する。

・代替えができるようであれば、契約を終了し、別の課税事業者と契約する。

この2つで対応することにしました。

継続する免税事業者には、相談レベルで金額の話しはしてみます。

猶予期間あるので、相手が免税事業者でも自社負担は低いですが、手続き・計算が少し面倒なので。

「優越的地位の濫用」の問題もあるので、金額の話しは慎重に対応しました。

契約終了し、代替を探すケースでも「ITは人材不足」と言われますがそもそも母数が多いため、

代わりはいます。何とかなるのが現状です。競争の世の中ですね。

周囲は大半が課税事業者を選択されてましたね。

免税継続する事業者は把握している範囲では2割程度です。

2.自社内対応

現状、経理は1名担当しています。

インボイス制度導入前から業務負担は大幅に増加したようです。

sansanの調査記事も出ていました。https://news.yahoo.co.jp/articles/3766872ab348704d0fe85ee07517b243a7b85386

【導入前の主な増加要因】
・社内への周知
・ルールの整備
・社員申請書類の整備、
・外部請求書類などの整備

【導入後】
・適格請求書の不備確認
・社員が精算した領収書の不備修正依頼
・これらの目視検査
 

不備も多く訂正依頼は多々発生しています。

特に手書き領収書の場合は、税率の不記載、利用用途の不記載は多いです。

月単位で、40時間は作業増加したようです。

企業としてインボイス対応で追加的に導入したツールでは、AI-OCRだけです。

精度も高くなっているので、異なる様式や手書きの数字などの読み取りも問題なく

効率化できます。

それでも目視検査はしているので、人の時間は取られます。

※導入の効果測定までする余裕ある中小企業は少ないため、
 明確に何時間までは測定できていません。

今後の作業が減るかは分かりませんが、そもそも経理の一人体制に問題があるので、

追加で新規採用するか課題が生まれました。

この課題もインボイスなければ、生じなかった可能性あります。

採用は躊躇しますね。1人の負担は大きいです。

③営業マン、こっそり副業サラリーマンの対応

1.営業マンのつらさ

営業マンに限らないですが、会社経費を使う場合は注意が必要です。

不正をする訳ではありません。

そこまで記載されのるか!という領収書があるからです。

例えば、

「利用時間」

領収書に時間が記載されると都合悪いケースは多少あります。

ランチミーティングに14:00とか11:30とか入ってるとか。

共有している行動予定と異なる時間に利用? 14:00までランチミーティング?

変な疑念を持たれて、つっこまれて、説明するという煩わしさが生まれます。

「利用したメニューが出る」

これも結構きついです。

ランチだと一人一人が何を食べて、いくらかかったか、分かります。

夜の飲食店も領収書に、頼んだメニューすべて明記されている、というパターンもありました。

レジ印字タイプの領収書の一部は、領収書と領収明細書が1枚になっていて、

メニュー等が記載された明細書の最下部にT番号書かれているため、明細書部分のみを切り取る

ことができません。

領収書の最上部にT番号記載されていれば何も問題ないのですが。。。

このあたりは、お店によって異なるので事前に確認しておくことがベターです。

ガストは非常に良い領収書です。

同時に、インボイス対応しているかどうかも確認しておきましょう。

企業としては、対応済みのお店を使ってほしいので。

余談ですが、クレジットカードの明細は利用できません。

お店ではなくカード会社が発行したもので、仕入れ税額控除を満たしていないようです。

2.副業サラリーマン

副業の場合は、悩むところです。

屋号とって個人事業者として活動し、青色申告する方の多数は、免税事業者だと思います。

※副業で「課税売上1,000万」を超える方は中々のやり手です。

個人的には必ずしも課税事業者を選択する必要ないと考えます。

取引相手が個人、自分の提供するサービスが競争優位性高いなどの場合は、

インボイス請求書を要求される可能性は低いのではないでしょうか。

副業の場合、取引先が多いわけでもなく、規模の拡大にも積極的ではないケースが

多いと思いますので、自分の負担が大きくなる課税事業者への変更は取引先の対応

を判断しつつ動けばよいと思います。

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④IT化するなら(ツール)

仮に個人事業レベルでインボイス対応、数値管理をIT化するなら

・マネーフォワードクラウド(パーソナルミニ 10,800円/年間契約)https://biz.moneyforward.com/feature/

・freee(スターター 11,760円/年払い)

https://www.freee.co.jp/lp/kakuteishinkoku/10_2/?referral=aw_brand

どちらかかと思います。

色々あって差別化の判断も難しいので、探していると時間がかかります。

導入企業多い2品種程度に絞って検討すれば効率的です。

オプションプランは多いですし、ミニマムプランの少数活用だと低価格で利用きます。

サイトでの案内も充実しています。多数の利用があるので信頼度も高いと判断しています。

まとめ

ルールなので、従わざるを得ないですが、中小企業にとっては負担増です。

増加した負担が収益、売上に繋がる可能性は低く、

内部は疲弊し、要員増加の検討工数などで収益の低下を生み出す(現状の短期的判断です)。

不都合は効率化へのきっかけです。チャンスと捉えて取り組むしかありません。

副業や個人事業者も慎重に判断して、自分の不利益にならない行動をとりましょう。

しっかり勉強して知識得て情報収集して分析する、

取引先とコミュニケーションとることが大事です。

参考になればうれしいです。


 

カテゴリー: 仕事

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