産業競争力強化法の改正案が出ましたね。
ポイントは、中堅企業の設置。
市場の流れに合わせて改正を続けている「産業競争力強化法」。
今回は、中堅企業・賃上げ・地域活性化が狙いですね。
少しまとめておきたいと思います。
産業競争力強化法とは
法律は、条文読むだけでは本当に分かりにくいです。
一応法学部出身で条文、法令は何度も目にしてきましたが、中々頭に入ってきません。
なので、簡単にポイントだけお伝えします。
2007年に施行なので、16年ほどです。
大目的は、
ここから
を推進しています。
企業からすると「税金の優遇」 「繰越欠損金の控除」 「減価償却の早期償却」
「事業再生(ADR)の拡充による再生手続きの簡易化」などがメリットになります。
活用するにあたって、内容の把握への時間と労力負担大きく、専門家のアドバイスは必須
になるでしょう。
経産省HPの2021年2月に改正された際の資料が掲載されていて
【法律案概要】のPDFが非常に分かりやすいです。
中堅企業の分類
「従業員2000名以下」とだけ。
中小企業基本法の中小企業のように、【資本金】は定義されていないようです。
対象企業は約9000社。
単体従業員数が該当することになるはずです。
そうなるとボーダーは、
「オービック」1900名
「帝国ホテル」1800名
「ミズノ」1800名
「イオンモール」1800名
「カルビー」1700名
「ダスキン」2000名
「滋賀銀行」2000名
このあたりがメジャーどころの上限ボーダーです。
滋賀銀行クラスの地銀がボーダーであれば、地銀でも分かれますね。
大都市地銀は、中堅には該当しなさそうです。
下になると、中小企業基本法で業種別に人数が決められていて、300名もしくは100名以上
になります。
中小企業も少し人数増やして中堅を目指すこともありかもしれません。
因みに2000人以上の大企業は、1300社らしいです。
数十万人在籍する企業もあるので、大企業の幅は大きいですね。
改正のポイント
新聞発表レベルで詳細は経産省のHP見てもリリースされていません。
報道レベルでのテーマは、「賃上げ」「地域経済」「競争力向上」この3点。
中堅企業の中から「特定中堅企業」枠を設けて、税優遇を別で設定するようです。
その条件として、
業種別の平均と比べて
- 高い賃金水準
- 従業員増加
- 設備・研究開発などの成長投資をしている
この3つの条件が設定されるようです。
中堅企業レベルは経営計画構築している企業が多いので、ここは中長期計画を立てて
取り組んでいくことでしょう。
2月17日付で、追加記事が載っていました。
・日本は、中堅企業から大企業に成長する割合は1割程度と欧米の半分以下。
過去10年で1000人以下の企業が2000人超の企業に成長した割合は11%。
米国は30%、欧州は22%
➡成長意欲高い企業を重点支援し、経済の底上げへ
・中小への優遇が大きいことが天井となり、中小にとどまる企業が多い。
➡中堅枠を設け天井を取り払い、中小企業の成長意欲を促進。
・9000社の中堅企業のうち、数百社が特定中堅企業の要件を満たす。
➡特定中堅が複数回M&Aを実施する場合、最大で株式取得額の100%を損金算入できる。
M&A促進による経済活性化。
株式取得額なので、「取得に要した費用」つまり「買収額」。
中堅企業のM&Aはそれなりの額になるので大きな支援になりますね。
複雑なM&Aにはアドバイザーの知見が必要。
M&Aアドバイザーは多忙になりそうです。
まとめ
中堅企業の条件は、従業員2000人以下。 該当はおよそ9000社。
その中から特定中堅企業を指定し、更なる優遇措置を図る。現状該当は数百社。
目的は、中堅企業の大企業への発展。
経済、地域貢献など活性化、全体の底上げ。
2月16日に閣議決定。
法務、M&A、税務など専門家のサポートが必ず必要。
中堅企業は資金的なゆとりあるので、中期計画構築して取り組むべき。
参考になればうれしいです。
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