個人的に衝撃的なニュースが出ました。

地元京都の有力企業オムロンの大きなリストラです。

業績好調だったはずの企業が突然。。。

半導体大型投資続き、日経平均も好調に推移する状況の中で驚きです。

※オムロンは日経225銘柄

業績を追っていなかったので、改めて分かり易い指標使って分析してみます。

売上推移

事業の動き(M&A)

まず、事前情報として大型の事業売却、M&Aがここ数年でありました。

【自動車事業の売却】

オムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱」のニデックへの売却

2019年10月 売却額:1000億

名称オムロン オートモーティブエレクトロニクス株式会社
所在地愛知県小牧市大草年上坂6368番地
代表者の役職・氏名代表取締役社長 和田 克弘
事業内容自動車向け車載電装部品の製造・販売
資本金5,000百万円
設立年月日2010年5月6日
大株主及び持株比率オムロン株式会社 100.0%
売上高36,327百万円(2018年3月期)
従業員数グループ計:5,715人(2019年3月末時点)

【㈱JMDCの子会社化(出資比率31.40% ➡ 54.57%)】

  2023年10月 取得額:855億

特に、オートモーティブ社の売却は衝撃でしたね。

車載事業といえば、どこも注力していた時期であり、「電気自動車」「自動運転」といったテーマがトレンドだった中での動きです。

ニデック(当時は、日本電産)には既存事業とのシナジーもあり大きなメリットです。

オムロンにとっては、大型投資必要な車載事業負担は困難と判断し、

日本の力になること、事業の成長が期待できる売却先を選択した判断ですね。

データ事業は、既存事業とのシナジー高く効果的な買収と感じます。

データは大きな財産です。

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売上推移(2020年~)

2024年は第3四半期までなので、最終は予測です。

大きく4つ+1の事業を展開しています。

各事業は以下の名称です。

IAB:インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業部)

HCB:ヘルスケアビジネス

SSB:ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービスビジネス(社会システム事業)

DMB:デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)

※DSB:データソリューションビジネス(データソリューション)

 直近の事業のため、今回は除いてます。


20202021202220232024(予測)
売上67806555762987618100
総利益30372984346839393394
営業利益5486258931007240
(営業利益率)8.08%9.53%11.71%11.49%2.96%
単位:億円

2023年まで好調であることが、今年度の落ち込みを大きく感じさせます。

事業比率

事業で見ていきます。

・IABへの高い依存度。

・2024年の営業利益はHCB、SSBが比率逆転。売上比率20%程度の事業が利益では構造逆転。

 よほどIABの利益が低下したことが分かります。

数値にすると

2024年度IABHCBSSBDMB
売上3885150514101135
営業利益14017514515
単位:億円
2023年度IABHCBSSBDMB
売上4857142110731389
営業利益78116075155

IAB 4,857 ➡ 3,885  ▲972(売上)  781 ➡ 140 ▲641(営業利益)

DMB 1,389 ➡ 1,135 ▲254(売上)  155 ➡ 15 ▲140(営業利益)

2事業で▲1,226億(売上)、▲781億(営業利益)で下げています。

※2024年は、上記数値にデータ事業の売上が追加されます。2023年、2024年共に若干の調整が入っているので、多少の誤差が生じています。

オムロンのコメントは、「中華圏の市場悪化、二次電池、半導体の投資延期と縮小。滞留在庫の評価損」としています。確かに半導体は、好調ですが実際は装置メーカーも見込み受注から遅れているとよく聞きます。不確実性が高い市場なので注視する必要があります。そういったことから、このコメントは要因の核心と感じます。

今後の見通し

構造改革プログラム『NEXT 2025』

を発表しています。

 ・中国経済の成長鈍化

 ・サプライチェーンの悪化

 ・事業とエリアの偏り

 が原因で変換に対応できなかった

 2024年5月~2025年9月を「業績立て直し」+「収益・成長基盤の再構築」期間とする

 一旦、現在の中期計画を取り下げ、2026年~2030年までの中期計画を立て直す

 としています。

 〇制御機器事業の計画と経営資源の配分を見直し

 〇事業ポートフォリオの見直し、データソリューションを各事業で連携する

 〇人員、人件費の構造を最適化

 〇売上高販売管理費比率を30%未満にする

 〇財務観点+顧客観点で事業統制とマネジメントの強化に向け人事戦略を導入し、運用する

1年以上の構造改革期間を設けていることから、本気度と危機感伝わります。

今回の対応策(リストラ)も早い対応と感じています。

人員削減以外の構造改革も本質を掴んで取り組むことへの期待を持てます。

データソリューションが大きなキーになると思ってます。

まとめ

IABと中国市場に偏った事業構造、中国市場不安定によるサプライチェーンの混乱で業績悪化。

NEXT2025による計画の見直しを実施。

制御機器では、キーエンスに負けない技術力と市場シェアある企業です。

人員削減だけを取り上げると不安視されますが、市場変化に合わせて適正な経営を行う施策(もちろん事象が起こる前に改革できればよかったと思います)は実施するでしょう。

経営には、不測の事態はつきもの。

適正でスピード感ある対応ですし、IAB事業見直しや新しい展開の種(データ事業)もまいているので今後発展は大いに期待できます。

地元の優良企業として、注視していきます。

参考になればうれしいです。


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カテゴリー: 仕事経済

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