こんにちは。
今回は、就職氷河期世代と言われる2000年前後に大学卒業(私は、1999年大学卒業)し、
なんとか就職した世代が新人時代に体験し、学んだ営業スタイルをお伝えしたいと思います。
1999年に大学卒業した私が、新卒入社した会社は商品先物取引業界です。
その後、当時拡大基調にあった技術専門の人材ビジネス(技術者派遣)業界に転職しました。
1999年の氷河期から2011年くらいのリーマンショックまでこの2つの業界で過ごしました。
商品先物業界ですが今となっては、「何その業界?」レベルの衰退産業です。
簡単にお伝えすると投機性の高い資産運用商品を扱う取次企業です。
投資対象は、大豆、小豆などの穀物、ゴールドなどです。
投資して頂く、顧客を獲得するために営業マンが多く雇われます。
先物取引ですのでレバレッジを効かせて運用します。小さな金額で大きな取引ができます。
もっているポジションによっては大きな利益を生みますが、当然その分リスクも高いです。
当時は、先物取引や消費者金融、事業者金融が猛烈に文系の新卒採用していたので、
多くの同級生がそういう業界に就職し、多くが1年足らずで辞めていきました。
完全なブラック職場です。当然きついです。ただ、楽しさもたくさんありましたね。
では本題の「営業スタイル」に入ります。
1.テレアポと飛び込みの繰り返し
目次
今も一部の業界や企業では普通にしていることだと思います。
当時もがんがんしていました。
何もできない新人は、日々のこの2つの繰り返しです。
①飛び込み
顧客の対象は、現役で働いている方ですので、企業に飛び込みします。
当時大阪にいたのですが、オフィスビルを上から下まで全てまわります。
当然、ほぼ相手にされません。今となっては受付電話置いている、セキュリティで入れない、
は普通ですが、当時はそんなこともなく、ノックしてフロアに入れる企業たくさんありました。
そのため、ノックしていきなり事務所に入ります。
「○○社の○○です。資産運用の案内です」みたいなことを大きな声で言いながら入ります。
「名刺交換だけでもお願いします」を続けます。新人は語彙のキャパ少ないです。
ただ、ほぼ全員「白い目」でみてきます。変なヤツきた、みたいな。
女性に断られて名刺だけ置いて帰るパターンが8割です。
1割は嫌々ながも交換、1割は頑張ってるなという慰め的な感じでの交換です。
これ最初はものすごく嫌だったのですが、慣れます。慣れても嫌ではあるのですが。。。
企業に突然入るのも、煙たくあしらわれるのも平気になれます。
残念なのは、結果に繋がらないことです。ほんと結果でなかったです。
2年ほどしていたのですが、飛び込みからの契約は2件です。額も最低金額の50万だったと思います。
基本は、お金にゆとりある管理職以上の方々を狙うのですが、ほぼ会えません。
営業ってそんなものかもしれませんが、体力・気力・時間使うことに対する効果は
ものすごく低です。これははっきり言えます。
企業からすると契約を獲得することより、対人能力や断られることの免疫向上が目的ですね。
それでも当然ノルマはあります。契約がベストですが、そこまで求められず「名刺○○枚」
もらうまで帰るな。というノルマです。
集めることできない時も当然あります。その時は旅行代理店、カーディーラー、量販店など
必ず名刺もらえるとこにいってごまかします。
上司もそのあたりは、分かっているのですがここはスルーしてくれましたね。
②テレアポ
今となっては購入しにくい資産家名簿を会社が入手してくれます。
例えば大手企業の株主、不動産所有などです。
この名簿をかたっぱしから電話します。
テレアポの日は1日中、事務所で電話です。
「投資のご案内です」から話を切り出し、9割即切りです。
稀に「あの株持っているよ」「証券会社の言いなりで損したわ」みたいな
会話をしくれる人が出てきます。これは、「見込み客」にします。
1週間くらいで電話でします。そして上司に見込み先確保として成果報告します。
1日100件以上はかけてたと思います。受話器はずっと耳にあてたままです。
これをさぼるとガムテープで受話器ぐるぐる巻きにされます。
2.定期的にクロージングの電話
週2回くらいの頻度、月曜と金曜が多かったと思いますがクロージングデイがあります。
「見込み客」に対して、意味のない追い込みをして契約を促します。
意味ないというか根拠がないですね。
今相場が熱くて、買い時です。殺到していて逃すべきではないです。投資するなら今です。
みたいな根拠の圧をかけます。商談というより、圧力でしかないです。
叫んで圧力です。
上司が電話して、若手は周りで適当な大声あげます。
「買い入りました」「どんどん相場上がってます」とか興奮している感を電話越で伝えます。
これがクロージングです。これが当時のテクニックであり、スタイルです。
今は、できないことです。。。
ただ、このクロージングから成約が最も多いです。私も何件もこれで契約し生き残れました。
口頭で契約を確認し、昼から契約書締結と集金に行きます。
当時は、現金や株券をそのまま受け取ることが多かったので、訪問し契約書押印してもらい、
ATM一緒に行って現金預かるという流れです。
1000万円をかばんに入れて事務所に帰ることも何度かありました。
3.物を投げる上司は本当にいる
灰皿、携帯、えんぴつ立て、ごみ箱、手帳などなど。
飛びます。
「今月の契約ない、なぜだ?いつまでにするの?」に言い訳
「名刺集めてないやろ、なんで帰ってきた?」に言い訳
これはほぼ飛んできます。日々何か飛んでました。
「すみません」と大きな声で謝るしかないですが、なんか言い訳してしまうのでしょう。
一通り怒られれば、「飲みに行こか」で納まります。アメとムチですね。
私の周りはそういう人情味のある人が多かったです。
営業スタイルもテクニックより姿勢、コミュニケーションも細かいことより飲み会、
こんな感じです。
4.少し上の人は仕事しながら席でタバコ吸える
これがあるから灰皿飛んでくるのですが。。。
たばこ吸いながら顧客と電話なんてのことは上の人たち普通にしてました。
「タバコ吸ってたら電話越に分かるから絶対顧客にはするなよ」とそういう人に注意されたことは
何度もありましたけどね。
なので、夕方には灰皿てんこ盛りです。
5.顧客の内線電話はフル活用
受付に内線電話表を置いている企業が昔は多くありました。
部署名、役職と個人名が丁寧に記載されています。
これは最大限活用させてもらいます。
まずメモに写します。後は、上位の役職者へ電話します。
内線電話使うと結構会って頂けます。確率70%くらいです。
普通にテレアポするより格段に取得率上がります。
名刺交換さえできれば、継続訪問できるの内線表はラッキーアイテムです。
「お約束以外の連絡はお断りします」と書いていますが、基本無視ですね。
これも営業成績あげて社内で生き残っていくためです。。。
まとめ
20年以上前になるとテクニックなんかは教えてくれません。
やれと言われたことをする。そこで失敗して自分で気づいて改善する。
知りたいことは聞く、本読む、そして行動して身につける。
みたいな感じです。そもそもテクニックなんかあったかなという感じの時代でした。
今はと大きく違うので、世代ギャップは当然ですね。
まだまだ色んなことありましたが、次回別の切り口で書きたいと思います。
最後までありがとうございました。
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